【解説】2018(平成30年度)調剤報酬改定まとめ|点数の比較や算定要件・施設基準のポイント整理

平成30年診療報酬改定の薬局関連の変更点をまとめました。新旧の点数計算にお使い下さい。目次から該当の項目に移動できます。

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H30.3.30疑義解釈(その1)が公開されました。ご確認下さい。

当記事の更新履歴はこちらです。

調剤基本料

主な変更点

  • グループ40万回以上、敷地内薬局等の区分が新設。
  • かかりつけ薬剤師の実績による除外は削除。
  • 特例対象から「医療資源の少ない地域」が除外。
  • 妥結率は100分の50減算枠に移行
  • 基本料1とその他の「歴」の点数差は変わらず12点

参考)「医療資源の少ない地域」の一覧

点数・要件

調剤基本料1

41点(現行41点)

調剤基本料2、調剤基本料3のイ、調剤基本料3のロ又は調剤基本料の注2の(1)に該当しない保険薬局であること

調剤基本料2

25点(現行25点)

以下のいずれかに該当する保険薬局。ただし調剤基本料3のイ、調剤基本料3のロ又は調剤基本料の注2の(1)に該当する保険薬局を除く。

  • 月4,000回超・集中率70%超
  • 1ヶ月2000回超・集中率85%(現行90%)
  • 特定の保険医療機関に係る処方せんが月4,000回超
【新設】建物内の医療機関は合算
特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループに属する他の保険薬局において、保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が最も高い保険医療機関が同一の場合は、当該他の保険薬局の処方箋の受付回数を含む。)が月4,000回を超えること

調剤基本料3-イ

20点(現行20点)、集中率85%(現行95%)

同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に4万回を超えて、40 万回以下のグループに属する保険薬局のうち、以下のいずれかに該当する保険薬局。ただし、調剤基本料3のロ又は調剤基本料の注2の(1)に該当する保険薬局を除く。

同一グループの保険薬局による処方箋受付回数が4万回を超え40万回以下の場合で、下記のいずれかに該当する薬局です。

  • 集中率85%
  • 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係あり

調剤基本料3-ロ

(20点→15点、集中率95%→85%)

同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に40 万回を超えるグループに属する保険薬局のうち、以下のいずれかに該当する保険薬局。ただし、調剤基本料の注2の(1)に該当する保険薬局を除く。。

同一グループの保険薬局による処方箋受付回数40万回を超える場合で、下記のいずれかに該当する薬局です。

  • 集中率85%
  • 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係あり

特別調剤基本料(敷地内薬局)

10点【新設】

いわゆる敷地内薬局が該当する基本料です。

  • 病院である保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、当該病院に係る処方箋による調剤の割合が9割5分を超えること。
  • 調剤基本料1、2、3のイ及び3のロのいずれにも該当しない保険薬局

3月5日追記:敷地内薬局の定義については「特別調剤基本料|基本料が10点になる「同一敷地内薬局の施設基準と留意事項」」の記事に記載しました。

100分の50減算

下記のいずれかに該当する薬局は調剤基本料が50%に減算するペナルティが課せられます。

  • 妥結率5割以下
  • 妥結率等の届出不備
  • 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局。(受付回数が月に600回以下の保険薬局を除く)

※直近1月の変更不可の割合が50%以上の場合は除外
(参考:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて

かかりつけ機能に係る基本的な業務(2018改定)
下記の合計が10回未満が対象(3月~2月末の1年間)

  • 時間外加算等、夜間・休日等加算
  • 麻薬管理指導加算
  • 重複投薬・相互作用等防止加算
  • かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料
  • 外来服薬支援料、服薬情報等提供料
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、退院時共同指導料、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
  • 相互作用等防止管理料
  • 介護予防居宅療養管理指導費、居宅療養管理指導費


後発医薬品調剤体制加算

  • 加算1 75%以上【18点】(現行65%以上18点)
  • 加算2 80%以上【22点】(現行75%以上22点)
  • 加算3 85%以上【26点】(新設)
  • 減算  20%以下で2点減算(月に600回以下は除外)
調剤基本料が2点減算になる薬局
調剤基本料の注6に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
次のいずれかに該当する保険薬局であること。

  1. 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が2割以下であること。ただし、当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
  2. 1に係る報告を地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること
※答申によると減算のペナルティは10月から適用になるようです。

調剤料

  • 14日以下(変更なし)
  • 15日~21日 67点(現行70点)
  • 22日~30日 78点(現行80点)
  • 31日以上  86点(現行87点)

薬剤服用歴管理指導料

太字部分が追記されました。

  • ①原則6月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合(基本料1の薬局のみ) 41点(現行38点)
  • ②①以外 53点(現行50点)
  • ③特別養護老人ホームに入所している患者に訪問して行った場合 41点(現行38点)
  • ④手帳持参の割合50%以下は13点(新設)

薬歴関連は「薬歴の変更点と継続的な薬学的管理及び指導の留意点について」でまとめています。

抗菌薬の適正使用

外来診療等における抗菌薬の適正使用の推進の項で下記の要件が追加されています。

薬剤服用歴管理指導料(中略)を算定する場合は、抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めていること及び「抗微生物薬適正使用の手引き」に則した治療手順等、抗菌薬の適正使用に資する診療を行うことを要件として追加する。

参考資料:抗微生物薬適正使用の手引き第一版

かかりつけ薬剤師指導料

かかりつけ薬剤師指導料 73点(現行70点)
かかりつけ薬剤師包括管理料 280点(現行270点)
施設基準の在籍期間 12ヶ月(現行6ヶ月)

その他の変更点は「平成30年度調剤報酬改定|かかりつけ薬剤師の変更・算定要件まとめ」の記事に記載しています。

重複投薬・相互作用等防止加算

40点/30点(現行30点)
残薬調整 30点
残薬調整以外 40点

服薬情報等提供料

20点/30点(現行20点)
患者若しくはその家族等の求めがあった場合 20点
保険医療機関の求めがあった場合 30点

在宅患者訪問薬剤管理指導料

  • 単一建物診療患者が1人 650点
  • 単一建物診療患者が2~9人 320点
  • 単一建物診療患者が10人以上 290点

(現行:同一建物居住者300点、その他650点)

同一建物居住者と単一建物居住者の定義

居宅療養管理指導における単一建物居住者の定義は同一日が「同一月」に変更されているだけです。

参考)平成30年度介護報酬改定における 各サービス毎の改定事項について

在宅患者訪問薬剤管理指導料の場合は下記のように但し書きがあります。今後の別添やQ&Aを待ってから判断したほうが良いかもしれません。

同一建物居住者

当該患者と同一の建物に居住する他の患者に対して当該保険医療機関が同一日に訪問栄養食事指導を行う場合を「同一建物居住者の場合」という。

単一建物居住者

当該利用者が居住する建築物に居住する者のうち、当該指定居宅療養管理指導事業所の医師等が、同一月に訪問診療、往診又は指定居宅療養管理指導を行う場合の当該利用者

当該患者が居住する建築物に居住する者のうち、当該保険医療機関が在宅患者訪問栄養食事指導料を算定する者(当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関において算定するものを含む。以下同じ。)の人数を「単一建物診療患者の人数」という。ただし、当該建築物において当該保険医療機関が在宅患者訪問栄養食事指導料を算定する者の数が、当該建築物の戸数の10%以下の場合又は当該建築物の戸数が20戸未満であって、在宅患者訪問栄養食事指導料を算定する者の数が2人以下の場合には、それぞれ単一建物診療患者が1人であるものとみなす。

居宅療養管理指導費

  • 単一建物居住者が1人  507単位
  • 単一建物居住者が2~9人  376単位
  • 単一建物居住者が10人以上  344単位

(現行:同一建物居住者387点、その他553点)

新設

地域支援体制加算35点

地域支援体制加算|基準調剤加算との違いとポイント整理」の記事で詳細を記載しております。

服用薬剤調整支援料125点

【解説】服用薬剤師調整支援料|算定要件や注意点のまとめ」に移動しました。

関連する医科の加算

「薬剤総合評価調整管理料」の算定要件

保険医療機関が、入院中の患者以外の患者であって、6種類以上の内服薬(受診時において当該患者が処方されている内服薬のうち、頓用薬及び服用を開始して4週間以内の薬剤を除く。)が処方されていたものについて、処方内容を総合的に評価したうえで調整し、当該患者に処方される内服薬が2種類以上減少した場合は、所定点数を算定する。

「連携管理加算」の算定要件

処方内容の調整に当たって、別の保険医療機関又は保険薬局との間で照会又は情報提供を行った場合は、連携管理加算として所定点数を加算する。ただし、連携管理加算を算定した同一日においては、同一の別の保険医療機関に対して、区分番号B009診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。

分割調剤

分割調剤に関しては「平成30年度調剤報酬改定|分割調剤と残薬調整について」でまとめています。

その他の変更

乳幼児服薬指導加算

12点(現行10点)

無菌製剤処理加算

中心静脈栄養法用輸液・麻薬 67点(現行65点)
※乳幼児 135点(現行130点)
抗悪性腫瘍剤 77点(現行75点
※乳幼児 145点(現行140点)

残薬調整

下記の記載が追加されています。

あらかじめ医療機関と薬局で合意した方法により、残薬調整の疑義照会に係る取扱いを明確にする。

点数変更なしの加算

平成30年2月7日の資料に記載が無く、据え置きが予想される加算です。

  • 嚥下困難者用製剤加算
  • 一包化加算
  • 麻薬・向精神薬等の加算
  • 自家製剤加算
  • 計量混合調剤加算
  • 時間外・夜間・休日等加算
  • 在宅患者調剤加算

正確な情報を記載するよう心がけておりますが、解釈が誤っている可能性もあります。事業計画などに用いる場合は元資料をご確認下さい。

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